17大会ぶり5度目の日本一を狙う常翔学園(大阪第1)と、悲願の初優勝を狙う御所実(奈良)の決勝は今日7日、行われる。前日の6日、両校は大阪府内で最終調整を実施。ロースコア勝負に持ち込みたい御所実は、プレースキッカーの高校日本代表候補FB和田源太(3年)が着実に加点を重ね、優勝候補に対抗する。

 2点は大きいで!

 初優勝を狙う御所実のFB和田が、のけぞるような?

 仲間のゲキを励みに栄冠をつかむ。この日は大阪市内で練習。キッカー役の和田は「1本1本を大事にしたい」と意気込んだ。

 高校日本代表候補の逸材だが、大会に入ってキックが不調。準々決勝までの3試合でGK8本中成功はわずか2本。準決勝前日の4日には「外しまくっているから、何かメッセージを書いてくれ」とメンバー外の3年生3人にキックティーを差し出した。すると書き込まれたのは…

 「2点はおっきいで(笑)」「頼む」「皆がいるから大丈夫」

 なにやらビミョーな励ましの言葉に、気合を入れ直した。蹴る前には3人の言葉を小声で唱える。準決勝茗渓学園戦では8本中4本を成功させて「少しずつ精度が上がってきた」と言う。

 決勝戦は攻撃力抜群の常翔学園。竹田監督は「しつこい守備を繰り返して、少し僅差のゲームになればおもしろい。そういうゲームになるように頑張ります」とロースコアの展開に持ち込む作戦だ。接戦に勝つためには和田のキックが鍵を握る。竹田監督から「本当はもっと上手なんですが」と評される和田が、ラストバトルで本来の力を発揮して悲願の初Vをたぐり寄せる【益田一弘】

 ◆和田源太(わだ・げんた)1994年(平6)7月10日、大阪市生まれ。小3から始めたサッカーでは右サイドバック。中学でラグビーを始める。御所実ではSOとFBで高校日本代表候補。法大に進学予定。178センチ、85キロ。