男子卓球界のホープ、丹羽孝希(青森山田2年)が地元青森でシングルス2連覇、団体、ダブルスとインターハイ3冠を誓った。09年の世界選手権に日本男子史上最年少で出場。今年の全日本選手権ベスト8、9月のアジア選手権(レバノン)日本代表にも内定するなど次世代のエース的存在だ。また後輩で中学チャンピオンの森薗政崇(青森山田1年)は「打倒丹羽」で1年生Vを狙う。

 国際大会で各地を転戦する丹羽だが、「高校で最大の大会。青森山田のために3冠を目指す」と、地元インターハイにかける思いは強い。昨年、1年生でシングルスV。これまでインターハイで3連覇を達成したのは2人。「まず今年勝たないと」と、連覇を視野に入れる。

 もう1つ、史上初のきょうだい同時Vの期待もかかる。姉の美里(青森山田3年)は昨年3位で、今年は優勝候補。「一緒に優勝できたらうれしい」と力を込めた。町飛鳥と組むダブルスは、昨年惜しくも決勝で敗れた悔しさを晴らす決意だ。

 抜群の反射神経を生かした両ハンド攻撃は、天才的。接戦での粘り強さもついた。今年6月のアジア選手権代表選考会では、準決勝で張一博、決勝で高木和卓(ともに東京アート)にいずれも4-3で競り勝った。学生、社会人相手に予選リーグ9戦を含め全勝優勝。次世代のエースで、「打倒中国」の切り札と期待される。

 中学から青森山田に進学し、恵まれた環境で着実に成長してきた。インターハイは地元開催。「会場はよく知っている。広くてきれいでやりやすい」とプレッシャーどこ吹く風で、「地の利」を感じている。将来は「五輪でメダル」と言い切るホープが、地元で脚光を浴びるはずだ。

 ◆丹羽孝希(にわ・こうき)1994年(平6)10月10日、北海道苫小牧市生まれ。7歳から卓球を始め、11歳でU-18日本代表に選出。青森山田中の09年東京選手権で優勝。同年横浜での世界選手権に日本男子史上最年少で出場。昨年インターハイ団体、シングルス優勝。今年は全日本選手権ダブルス優勝、シングルスベスト8。家族は両親、姉、弟。160センチ、48キロ。左シェーク。血液型はO。