高校生のスポーツの祭典、全国高校総合体育大会(インターハイ)「2011

 熱戦再来

 北東北総体」が28日、開幕した。今大会は青森、岩手、秋田、宮城で分散開催され、大会は8月20日まで計29競技を行い、選手約2万8000人が参加する。

 福島県選手団が「がんばろう!

 ふくしま!」を合言葉に今大会でも躍進を誓った。青森市の新青森県総合運動公園マエダアリーナで総合開会式が行われ、福島県選手団は入場行進で左手首に合言葉が入ったリストバンド、左肩には東日本大震災の犠牲者を悼み、喪章をつけて臨んだ。被災支援の感謝の言葉と「ほんとうの空と大地が戻るまで頑張ります」というメッセージを添えた横断幕を持って行進した。

 旗手を務めたソフトテニスの田村・佐藤孝一(3年)は「県代表の自覚を持って臨みたい。支えられていることを忘れずプレーしたい」と話した。自身も震災で引っ越しを余儀なくされた。震災後は自宅待機となり、学校の寮から自宅の南相馬市に帰宅した。しかし同市が福島第1原発から30キロ圏内だったため、母の実家・飯舘村へ避難。その後は、学校近くの三春町に家族で引っ越した。田村の支えになりソフトテニスに専念できるように、という家族の配慮からだった。震災から1カ月間は避難生活で練習できなかったが、プレーをあきらめなかった。主将として部員を励まし、団体と個人は2年連続で出場を決めた。佐藤は「福島県に勇気を与えられるようなプレーをしたい。優勝旗を持ち帰りたい」と力を込めた。【豊本亘】