<高校総体:卓球>◇14日◇青森市

 男女シングルスで地元の青森山田勢が上位を独占した。男子の丹羽孝希(2年)と女子の鈴木李茄(同)がアベックV。また男子で町飛鳥(同)が2位、池田忠功(3年)が3位。女子で丹羽孝希の姉、丹羽美里(3年)が3位に入った。女子優勝の鈴木はJOCエリートアカデミー出身で、初出場のインターハイで頂点に立った。

 鈴木が力を見せつけた。決勝は4-1で快勝。出だし、相手にリードを許したが「諦めないでやったら挽回できたので、さらに強気でいった」と鈴木。「初めてのインターハイで雰囲気も知らず不安だったが、今は素直にうれしい」と笑顔をみせた。

 静岡市出身。エリートアカデミーの第1期生だが、昨年9月に青森山田に転校した。これまでは日本リーグや海外試合に出場。国内では全日本ダブルス3位、全日本カデット優勝などの実績を持つ。だが「エリート」コースを捨てて普通の高校生選手になり、あえて試練の道を選んだ。

 トーナメントの団体戦など学校スポーツの試合形式は転校してから体験した。前日(13日)の団体決勝で「自分が取らないといけない試合を落とし、チームが負けた。気持ちの切り替えが難しかったけど、仲間が懸命に応援してくれて、頑張って優勝しようと思った」。高校スポーツの醍醐味(だいごみ)も味わった。

 青森山田女子の大岡巌監督(59)は「予選の県高校総体から、負けたら終わりという厳しい世界。鈴木は将来世界の舞台で戦う可能性を持っているが、高校でそうしたたくましさ、努力する姿勢を養ってほしい」と期待する。「自分でも成長したと思う。将来は五輪出場が目標」という鈴木の今後に注目だ。【北村宏平】