<高校総体:みちのく発>

 ボクシングでインターハイ初の兄弟優勝を果たしたのは、同じ会場にいる藤田兄弟だった。兄大和(拓大1年)がフェザー級、健児がバンダム級で優勝して達成(09年、倉敷)。続けて10年全国選抜で再びそれぞれの階級を制して、こちらも大会初の記録を作った。

 大和がファイタータイプで、健児がアウトボクサーとスタイルは対照的。それは小さいころの兄弟げんかがスタイルの原点だった。大和は「小さいころのけんかはアニメのトムとジェリーみたいでした。僕がトムでいつも追いかけ健児が逃げていた」と振り返る。

 今回「トムとジェリー」は手を取り合って3連覇をつかんだ。全日本選手権優勝以降、練習相手がなかなか見つからない健児に対して、大和がスパーリングの相手を買って出た。大会では初めてセコンドについて「自分がセコンドに言ってほしい言葉をかけた」と励まし続けた。

 元祖・兄弟Vの藤田兄弟が、次に挑むのは国体の優勝。大和は高校時代に国体を含む3冠を持つが、健児は今回で5冠獲得ながら国体は未勝利。健児は「あとは国体の優勝だけですね」とV宣言。大和は「次は国体を2人で優勝したい」と決意を固めていた。【豊本亘】