<高校総体:ボクシング>◇15日◇秋田・秋田市立体育館

 男子ミドル級決勝で酒井幹生(札幌工3年)が、ジュリアン・ジョンソン(沖縄・宮古総合実3年)に判定勝ちし、初優勝を飾った。最重量級となる同階級の道勢Vは5年ぶり4人目。各階級を合わせると30人目の道産子チャンピオンに輝いた。

 決勝では、長いリーチの相手にも動揺せず、的確にパンチを重ねて最後まで主導権を譲らなかった。準々決勝では左手甲を故障。この日の試合中も痛みが走ったため、後半はほとんど右腕のみで戦った。「自信はあった。優勝を目指していたのでうれしいというか安心した」と喜んだ。

 映画「ロッキー」に憧れ高校入学後に競技を始めた。中学2年時に父親に勧められビデオを見て以来、大のロッキーファン。同校へ進学したのもボクシングをやるためだった。各シリーズ全てに目を通しており「あれは素晴らしい映画です。何度も見ました」。酒井自身も、ロッキーに負けない努力を重ね、高校最終学年で全国の頂点に立った。

 佐藤秀行監督(52)も「足も使えてたし距離を詰めても戦えてた」と成長した姿に目を細めた。休む間もなく26日からは国体道予選が始まる。「2冠を取りたい」。北のチャンピオンが、次の戦いに向けて気持ちを引き締めた。