<高校総体:みちのく発>

 水泳競技には大会新が出たときより、会場のボルテージが上がる時間帯がある。リレー競技が始まると、各校の応援団が、校旗を掲げてメガホンや空のペットボトルを片手に大声を張り上げる。個々の成績も重要だが、学校対抗が行われるインターハイでは、NO・1校の称号を目指し、部員たちは一致団結する。

 19日の男子400メートルメドレーリレーが印象的だった。優勝した日大豊山(東京)は「学校対抗の得点で豊川(愛知)に並ばれていたので絶対落とせませんでした」と叫んだ。大会出場する選手だけで応援団を結成し、出場競技がない選手たちが入れ替わりで声援を送った。今大会最多の30選手が出場する豊川は、数を生かした大声援で、仲間たちを盛り上げた。同じ愛知県の選手が決勝に進出すると声をかけるため、声がかれてしまう選手もいた。

 同じ学校でも部活動とスイミングクラブで選手たちの練習は別々という湘南工大付(神奈川)だが、このときばかりは1番の結成力を見せた。おそろいのTシャツを着て、競技を終えた選手は水着のまま応援に参加。ある選手は気持ちが高まり過ぎて目を真っ赤にしながら声を張り上げた。

 個人競技だと思っていたが、団体競技のような盛り上がりと興奮があり、水泳のもう1つの魅力を知った。【豊本亘】