<高校総体:ヨット>◇20日◇秋田・本荘マリーナ

 全国の絆でレースができた。ヨットFJ級が開催され、東日本大震災の津波で全てのヨット32艇が流失した宮古、宮古商の両ヨット部が男女ソロ、デュエット計6種目で入賞を果たした。

 本来は両チームの本拠地岩手県宮古市のリアスハーバーで開催予定だったが、秋田県由利本荘市に変更された。参加した両チームのヨットは全国からの支援で14艇が集まった。震災後、宮古は6月、宮古商は7月に宮古湾での練習を再開したが、宮古商・川口進監督(31)が「支援に毎日驚きながら」と話すように、ヨットだけでなく、ウエアもブーツも全国から集まった。

 宮古教諭でレース委員会事務局長を務めた柿崎朗さん(36)は「大会を開いてあげることが子どもたちへの最大の支援」と言い大会開催にこぎつけた。男子FJ級ソロで6位入賞した宮古商・北村雄飛(3年)は「全国の方々が支援してくれたので、頑張らなくちゃという気持ちになった。ヨットは楽しいもの」と笑顔で言った。全国のヨットマンの絆が結んだヨット競技と北東北インターハイは、本荘マリーナの鮮やかな夕暮れとともに幕を閉じた。【松屋圭祐】