<全国高校総体:卓球>◇男子団体決勝◇8日◇山梨県甲府市・小瀬スポーツ公園体育館

 青森山田が王座を奪回した。ダブルスを制した坪井勇磨(3年)三部(さんべ)航平(2年)が確実に白星を挙げて愛工大名電(愛知)に3-1で逆転勝ちし、2年ぶり16度目の優勝。9連覇を逃した昨年の屈辱を晴らし、2人がベスト8に勝ち残っているシングルスも取ってタイトル独占を狙う。

 苦しみながらつかんだ2年ぶりの日本一だった。第4試合をストレートで制したエース三部が拳を突き上げ「ヨッシャ~!」とほえた。第1試合を落とした後の3連勝。チームメートと握手を交わすと「やっと勝てました」と板垣孝司監督(43)の肩に顔を埋めて泣いた。三部は決勝前に行われたシングルスでまさかの3回戦敗退。3冠を狙っていただけにショックも大きかったが、板垣監督から「悔しいのは頑張った結果」と言葉をかけられ、「泣けるだけ泣いて」団体戦に臨んでいた。

 シングルス、ダブルス2勝を挙げた坪井にとっては三度目の正直だった。チームは昨年の選抜、総体、今年の選抜と3大会続けて決勝で敗退。その3大会に出場していただけに「全部自分が勝てずに負けた。申し訳なかったので最後の夏は絶対勝ちたかった」と思い切り左腕を振った。優勝の瞬間は「安心感と去年のことが頭に浮かんで…」と号泣した。しかし、すぐに笑顔を取り戻し「明日もある。3冠達成へ頑張ります」と気合を入れ直した。今日9日のシングルス(準々決勝~)には坪井と及川瑞基(2年)が勝ち残っている。坪井は「まず最初の試合を落とさないことが大事。成し遂げたい」とタイトル独占を宣言した。