<世界柔道>◇23日◇男子60キロ級◇パリ・ベルシー体育館

 悲願の金メダルを目指した平岡拓晃(26=了徳寺学園職)は、またも世界の頂点には届かなかった。世界ランク1位のソビロフ(ウズベキスタン)との決勝。残り7秒で小外掛けを食らい、技ありを取られて万事休す。「素直に悔しい。今はその気持ちが強い」と唇をかんだ。

 我慢強く戦うことをテーマに、準決勝まですべて1本勝ちと「今までにないくらい、乗っていた」。調子は万全だった。だが、最後の最後に、攻めに行ったところを返された。09年大会の銀、昨年の銅メダルから、三度目の正直で臨んだ世界選手権。悔やんでも悔やみきれない敗戦に「あともう1歩、自分に足りないものがある。それを追求して、来年のロンドン五輪に向かいたい」と、この日の試合を自分の胸に刻み込んだ。