<柔道:世界選手権>◇第6日◇31日◇ブラジル・リオデジャネイロ◇男女3階級

 男子100キロ超級の七戸龍(24)は敗者復活戦で敗れ、同級で日本勢は5大会連続メダルなし。100キロ級の小野卓志(33)も3位決定戦で敗れた。

 男子の井上康生監督の口調は厳しかった。「81キロ級から100キロ超級までメダルを取れなかったが、これが現実。惨敗だった。このままでは重量級再建と口にするのもおこがましい」。中重量級以降の4階級は誰ひとり準決勝にも進めず。3つの金メダルを並べた最軽量級からの3階級とは対照的だった。

 100キロ超級の七戸は、準々決勝で地元ブラジルのシルバと対戦。ロンドン五輪3位の巨漢に果敢に前に出た。2月の大会で勝利も挙げていたが、「組み手をおろそかにした。相手のやりたいようにやらせてしまった」と手詰まりに。2分57秒に大外刈りで畳にたたきつけられた。

 100キロ級で3階級目のメダルを狙った小野も、準々決勝で優勝したママドフ(アゼルバイジャン)に優勢で敗れた。敗者復活戦を勝ち上がり3位決定戦に進んだが、2メートル近い長身のクルパレク(チェコ)に奥襟を握られる展開。指導の差の優勢で負けるのに持ち込んだのが精いっぱいで「明らかに相手が自分よりも強かった」と完敗だった。

 井上監督は今後の強化について「地力を上げないといけない。若手を長期的に強化していく必要もある」。リオ五輪へ、重量級に特化した改革を見据えた。