リオの1番星だ!

 柔道の世界選手権(8、9月・ブラジル)最終選考会を兼ねた全日本体重別選手権は今日11日に福岡・福岡国際センターで開幕する。男子60キロ級で世界ランク1位の高藤直寿(19=東海大)は、観客の度肝を抜くような勝ち方で優勝を狙う。

 「似てると言われるし、大好き」とお笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史似の外見に触れ、「自分もおもしろい選手になりたい。リオ五輪でも一番目立ちたい」とまくしたてた。身長156・5センチの岡村に対し「そこは負けられない」と160センチの高藤。小柄な体格からくり出す多様な技を誇る。強豪が集う国際大会グランドスラムでは、昨年5月のモスクワ、同12月の東京、今年2月のパリと3連勝。世界ランクの頂点に駆け上がった。

 「おもしろさ」とは「『こいつばかじゃないか』と思われるくらいの柔道」。国内初適用となる新ルールでは脚取りが禁止で、得意のすくい投げなどは使えないが「新たな必殺技も考えました」という。

 60キロ級はロンドン五輪銀メダルの平岡が休養中で、エースの座を狙うには絶好の機会。東海大で指導する日本代表の井上監督も「目立ちたいくらいじゃないと勝てない。良いと思います」と認める新星。「やるときはやります」と強さを見せつける。【阿部健吾】

 ◆高藤直寿(たかとう・なおひさ)1993年(平5)5月30日、栃木県生まれ。7歳から柔道を始める。東海大相模中で全国中学校柔道大会優勝。東海大相模高では高1で世界カデ選手権、3年時には世界ジュニアも制した。東海大進学直後の12年5月のグランドスラム・モスクワで、IJF(国際柔道連盟)グランプリシリーズ初優勝。得意は小内刈り、内股など。左組み。女子57キロ級の牧志津香(ミキハウス)と交際中。160センチ。