<F1:スペインGP>◇フリー走行1、2回目◇25日◇カタルーニャ・サーキット(バルセロナ)◇1周4・655キロ

 スポンサー不在で参戦危機が伝えられたスーパーアグリが、スペインGP出場にこぎ付けた。慢性的な財政難でエンジンや部品などの金銭的、技術的サポートを受けられない可能性が高まっていた。チームに近い関係者によると、ホンダが25日、このレース限定で技術面などのサポートを、無償に近い形で行うことを承諾。チームは実入りがない状態ながら、26日の予選、27日の決勝に出場できる見通しとなった。

 チームの資金繰りは、英コンサルタント会社マグマ・グループへの身売り交渉が、成立直前で凍結されたことで悪化。直前まで続いた鈴木亜久里代表(47)のスポンサー探しも、不調に終わっていた。この日のマシンは広告の数こそ変わらなかったが、車体はテストカーのようにほぼ真っ白。スポンサー獲得を信じてスペースを空けていたとみられ、色鮮やかな他チームに比べて寂しげだった。

 フリー走行は、午前、午後とも佐藤琢磨(31)が22台中21位、デビッドソンが最下位。佐藤は「昨夜は眠れないまま過ごした。走れる以上は、いつもと同じように取り組みたい」と前を向いた。とはいえ、マグマ・グループとの交渉は完全決裂が時間の問題。他の出資先候補との交渉も困難で、厳しい局面にあることは変わりない。