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スーパーGT2007 開幕特集

速さでNSXに遅れをとったSC430とZ、たて直せるか

 今年も日本で最もホットなモータースポーツ、オートバックス・スーパーGTシリーズが始まりました。

 3月18日、鈴鹿サーキットを舞台に行われた開幕戦。そこで待っていたのは、これがレースと言うか、ドラマティックと言うか。ホンダやARTAのファンにはショッキングと言うか。予選でも、決勝レースでもトップを独走していたARTA NSXが、その最後の1周でエンジン・トラブル……。その結果、予選からNSX勢の速さに圧倒されていたトヨタのSC430、日産のZが1、2位に。まさに予想外の結末でした。ちなみに、今回タナボタで勝ったゼント・セルモSC430の立川祐路選手。彼自身も2003年第5戦でトップ快走中にパンクに遭い、最終ラップでNSXに抜かれた経験があり、これも隠れたドラマでした。

 この結果を受けホンダ、トヨタ、日産の各陣営は4月7、8日の第2戦に向け、突貫のマシン改善作業に入るでしょう。完勝するはずの開幕戦を落としたNSXは耐久性、信頼性の確立を。一方、速さでNSXに遅れをとったSC430とZは、少なくとも決勝においてはNSXに対抗できるスピードを得なければなりません。実質2週間でどこまでできるか? レース合間ですが、開発スタッフとチームには知恵と技術の競争があるのです。

ECLIPSE写真

 第2戦が開催される岡山国際サーキット(岡山県美作市)は、全長3・7キロのフラットで少し短めのコースで中低速コーナーが多く、ここではコーナリングを得意とするマシンが優位です。そう考えると、NSXとZに向いているかもしれません。

 ですが、SC430勢の中でもここで結果を残しているチームがあります。それがECLIPSE ADVAN SC430(=写真)のトヨタ・チーム・ツチヤです。2005年の岡山戦、彼らのECLIPSE ADVANスープラが見事に優勝を果たしています。SC430になっての初レース、開幕戦ではしぶとく粘って9位。次の目標は当然、表彰台。ゲンの良い岡山で弾みをつけていきたいところでしょう。

[開幕戦レポート(決勝)] [開幕戦成績(決勝)]

ECLIPSE(イクリプス)の挑戦-GTライター古屋知幸に聞く

第2戦岡山(4月7、8日)でさらなる成果を

 コンマ1秒でも速いフォルムを追い求めるレースカーは、毎年のように変化を続けています。そんな中で変わらないものがあると、安心するというか、またレースを観に来たんだなと感じます。長年変わらずスーパーGTでスポンサードを続けるのが、ゼッケン25、トヨタ・チーム・ツチヤのECLIPSE(イクリプス)です。
 ECLIPSEは富士通テンのカーAV&カーナビゲーションシステムのブランド。特に評判のHDD内蔵AVNは検索能力と操作性に優れ、レースマシンの先進性や、昨年から一新したホワイト&レッドの疾走感を感じるデザインのかっこよさもあって根強いファンも多いです。03年にGT300クラスで優勝、04年からはトヨタ・チーム・ツチヤをサポート、05年にはGT500クラスでの初優勝も飾りましたが、昨年は、一世代前のスープラでの戦いを強いられ、SCとの力の差を強く感じた1年でした。

 今年、チーム・ツチヤのマシンはSC430となりました。SC430は昨年デビューしたトヨタの最新マシンだけに、14年間GTを戦い抜いたスープラの良いところを継承し、シャシーもエンジンも最新の設計思想で開発されました。それだけに、最高速でもコーナリング性能でもスープラよりワンランク上となっています。

 チームを率いる土屋春雄監督は「すでに何度かSC430でのテストを行い、今年のクルマは十分戦えるという手応えを得ました」と力強く語っています。そして、ドライバーはコンビ2年目になる織戸学選手と土屋武士選手。織戸選手はチューニングカー系のカー雑誌やDVDでおなじみの人気ドライバーで、GTレースでもGT500クラス通算2勝という実績もある選手。「今年も気合い入れてがんばります!」と全力宣言していました。そして土屋武士選手は土屋監督とは実の親子。とは言え、タイヤやマシン開発を長年手掛けている実力者なだけに、レースの世界では甘えはありません。「昨年は厳しいシーズンでしたが、今年は必ず1勝。妥協せずにいきたい」と開幕直前に今年への決意を話してくれました。

 17、18日に鈴鹿サーキットで行われた開幕戦でECLIPSE ADVAN SC430は、予選をクラス最後尾(16位)からスタート。織戸学選手、そして土屋武士選手の順でステアリングを握り、荒れた展開になった開幕戦を確実に周回。最終的には9位で完走し、土屋/織戸組のドライバーズポイントで2ポイント、チームポイントで5ポイントを獲得しました。難しい展開で確実にポイントを積み上げるのも、全9戦という長丁場で行われるシリーズでは必要なこと。また、チームにとってもドライバーにとっても、SC430となって最初のレースで完走したことは貴重なデータを得たことにもなります。これを糧に、第2戦岡山(4月7、8日)ではさらなる成果を期待できます。

 古屋知幸(ふるや・ともゆき) モータースポーツ・ライター。神奈川県出身。JGTC/スーパーGTでは、94年のスタート時からすべての公式戦を取材し、公式のレポートやウェブサイト、レース専門誌でGTのレポートを執筆している。

「ECLIPSE ADVAN SC430」チーム紹介

土屋武士写真 ▽土屋武士
-Tsuchiya Takeshi
昨年同様、父・春雄氏が監督を務める土屋エンジニアリングから参戦
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織戸学写真 ▽織戸 学
-Orido Manabu
甘いマスクと芸術的なドリフト・テクニックで熱狂的なファンも多い
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ECLIPSE Lady写真 ▽ECLIPSE Lady
まぶしい笑顔でチームを勝利に導く「ECLIPSE Lady」の河合洋美(右)と相川友希
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サイン入りシャツ写真サイン入りサンバイザー写真

スーパーGT2007

市販車ベースのマシンが接戦

 全日本GT選手権(JGTC)として行われてきたが、05年から国際シリーズに発展した実力、人気とも日本最高峰の自動車シリーズ レース。今年はマレーシアラウンドが「日マ友好50周年記念イベント」に認定されるなど海外での注目度も高い。車輌は市販車を元に開発することが義務付け られている。また前戦の順位に応じてウェイトハンデ(重り)を背負い、シーズンを通してスリリングなレース展開が続く。

スーパーGT 07年開幕戦 決勝結果
順位No.チームドライバーTime/Diff
138ZENT CERUMO SC430立川 祐路、高木 虎之介1時間43分25秒744
223XANAVI NISMO Z本山  哲、リチャード・ライアン3秒427
332EPSON NSXロイック・デュバル、ファビオ・カルボーン28秒302
46Forum Eng. SC430片岡龍也、ビヨン・ビルドハイム34秒527
522MOTUL AUTECH Zミハエル・クルム、松田 次生35秒031
617REAL NSX金石 勝智、金石 年弘35秒402
71宝山 TOM'S SC430脇阪寿一、アンドレ・ロッテラー38秒233
835BANDAI DUNLOP SC430服部 尚貴、ピーター・ダンブレック59秒264
925ECLIPSE ADVAN SC430土屋 武士、織戸 学1分6秒699
103YellowHat YMS モバHO ! TOMICA Zセバスチャン・フィリップ、柳田 真孝1分7秒112
1112カルソニック インパル Zブノワ・トレルイエ、星野 一樹 1分28秒535
128ARTA NSX伊藤大輔、ラルフ・ファーマン1Lap
1318TAKATA 童夢 NSX道上 龍、小暮 卓史8Lap
 100RAYBRIG NSXドミニク・シュワガー、細川 慎弥22Lap
 24ADVAN KONDO Zジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、荒 聖治45Lap
 39デンソー サード SC430アンドレ・クート、平中 克幸51Lap



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