女子100メートル平泳ぎでは、ロンドン五輪銅メダルの鈴木聡美(24=ミキハウス)が1分8秒0の大会新記録で制した。前日の200メートルは7位に沈んだが、この日は持ち前の攻めの泳ぎを取り戻し存在感を見せた。

 あのころの輝きが戻ってきた。女子100メートル平泳ぎ決勝。鈴木は前半から積極的に飛ばすと、後半も粘りを見せる。伸び盛りの中学2年今井らに競り勝った。「恐れず前半から全力を尽くした。手応えがある」と心からの笑顔を見せた。

 3年前のロンドン五輪時は怖いものなしの勢いがあった。五輪本番では100メートルで銅、200メートルで銀と2つのメダルを獲得。だが、その後は追われる立場の苦しさが待っていた。6歳下の渡部ら若手の突き上げも激しい。「守りに入っていた。社会人スイマーとしては情けなかった」。

 この日の予選後には、神田コーチから「積極性が足りない」とカツを飛ばされた。初心を取り戻したことで、久しぶりに会心のレースができた。「人のことは考えず、臆することなくやっていく」。世界選手権代表選考を兼ねた4月の日本選手権前に、五輪メダリストが気づきを得た。