世界5位で第1シードの錦織圭(25=日清食品)が、区切りのツアー本戦通算200勝を達成した。海から吹く強風に悩まされながらも、同92位のゴンサレス(コロンビア)に6-3、7-5のストレート勝ち。200勝とともに、2週前のメンフィスに続く2大会連続優勝に向け、絶好のスタートを切った。25日午後8時(日本時間26日午前11時)以降に行われる2回戦では、同61位の盧彦勲(台湾)と対戦する。

 海に沿った世界的な景勝地ならではの悩みだった。時折、音を立てて吹く強風に、球の軌道が揺れた。お互いに体勢を崩されながらも、錦織がラリー戦を制した。「こんなに風が強い中でプレーしたのは久しぶりだった」。安定したショットで乗り切った。

 風さえなければ、ショットは十分にラケットの芯を食った。球に力が加わり、メンフィスの決勝よりも、ストロークには勢いがあった。ただ、風の中ではコントロールが難しい。それを「チャンスを待って我慢しながらプレーした」ことで、克服した。

 07年7月のインディアナポリス選手権で予選を勝ち上がり、本戦で2勝を挙げ8強入り。17歳での日本男子史上最年少でのツアー8強が、ツアー本戦で初の白星だった。足かけ9年をかけて積み重ねた白星が200に到達した。

 09年3月から10年4月まで、右肘の手術で約1年間、ツアーから離脱した。09、10年の2年間でツアー本戦に出場できたのは15大会だけ。昨年だけで18大会に出場している。そのブランクを考えれば、決して達成は遅くない。

 4大大会歴代最多17度の優勝を誇るフェデラーは、1月のブリスベン国際で通算1000勝。それだけに錦織も「(200勝は)どれぐらいすごいのか、ぴんとこない」。ならばフェデラー超えに挑戦と「1000勝を目指す」と宣言だ。

 1000勝まで残り800勝。昨年は1年で54勝を挙げた。この先、平均年間50勝でも16年はかかる。その時、錦織は41歳。「尋常じゃない(数字)」。思わず苦笑いだが、半分の500勝なら、十分に到達できる。2回戦から、地道な勝利の積み重ねが始まる。