複合の団体スプリントでソチ五輪個人銀メダルの渡部暁斗(26)、弟善斗(23=ともに北野建設)で挑んだ日本は、6位だった。前半ジャンプ(HS134メートル、K点120メートル)で合計221・4点で2位につけたが、後半距離(15キロ)で順位を落としメダルには届かなかった。

 日本は、課題としていた距離でメダル争いから後れを取った。前半ジャンプで渡部暁が128・5メートルを飛び、渡部善も124・5メートルで続いた。後半距離は首位フランスと11秒差でスタートしたが、後からスタートしたドイツ、ノルウェーなどに次々と抜かれた。ゴールではフランスから1分以上の差をつけられた。

 1・5キロを交互に5周する団体スプリントは、距離が短いため、前半からハイスピードで飛ばし、最後まで滑りきるタフさも要求される。ゴール後、兄は「厳しかったですね」と声を振り絞り、「今の僕らの実力ではこんなものですね。スピードが上がるレースではまだまだ世界とは差がある」と完敗を認めた。

 世界選手権での複合陣は、09年リベレツ大会(チェコ)での団体金を最後にメダルから遠ざかる。今大会も個人、団体ともメダルなしに終わった。「今季を次のステップにしたい」(渡部暁)と、悔しさをバネにする。【松末守司】