ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(20=ANA)が、因縁のリンクで首位発進を決めた。男子SPは冒頭の4回転トーループを失敗も、鬼門だった終盤の3回転ルッツに成功し、今季自己ベストの95・20点。昨年末に腹部の手術、1月末には右足首を捻挫と、ルッツに響く不安を抱えながら底力をみせた。昨年11月の中国杯では激突事故に襲われた会場で、日本人初の2連覇が見えてきた。

 羽生を指導するオーサー・コーチは羽生の演技が終わると、隣にいた関係者と喜びに沸いた。首位に立った演技に「素晴らしかった」とご満悦。冒頭の4回転トーループこそやや乱れたが、きっちりと立て直した演技を「徐々に力強くなっていった。(全体的な)パフォーマンスが良かった」と評した。連覇が懸かるフリーへは「きょうのような演技をしてくれればいい」とうなずいた。