平泳ぎで五輪2大会連続2冠の北島康介(32=日本コカ・コーラ)が3月31日、右足付け根を負傷していたことを明かした。2月の高地合宿(米フラグスタッフ)でのアクシデント。世界選手権(8月、ロシア)の代表選考を兼ねた日本選手権(7日開幕、東京・辰巳)を前に不安材料だが「だんだん良くなっている」と前向きにとらえた。

 7年ぶりの高地合宿は「生きるか死ぬか」の覚悟で臨んだ。ケガのショックはあったが、これまでひじ、ひざなど数々のケガに見舞われてきただけに、引きずることはない。リハビリをしながら練習は皆勤してケガの克服に努めた。今大会は100メートルに絞る。代表争いは、昨年アジア大会代表の小関以外は混戦。タイムは13年7月の世界選手権から出ていない59秒台が必須。「多少の痛み、不安は集中力で消す」と覚悟した。

 この日はトレーナーの知識、技術を提供するパフォームベター(米国)の日本法人の設立会見に出席。社長兼GMに就任し、同社の目的の1つにトレーナーの地位向上を掲げた。長い競技人生を支えるトレーナーたちに恩返しするためにも、代表権を獲得する。【田口潤】