「谷本2世」が初の日本一に輝いた。女子63キロ級で昨年の世界選手権銅メダルの田代未来(20=コマツ)が、決勝で10年世界選手権銀メダルの田中美衣(27)から横四方固めで一本を奪い、初優勝を飾った。

 昨年12月のグランドスラム東京で負傷した左足甲の回復に時間がかかり、万全な調整ができなかったなかでの勝利。「内容も良くない。(技を)返されると変な感じに考えるところがある」と自己評価はからかったが、しっかりと結果を残した。

 同じ63キロ級で、現在は所属先のコマツ、さらに日本代表でもコーチを務める五輪2連覇の谷本歩実さんに似た風貌。本人は「2世」の呼び声に「恐れ多いです」と恐縮するが、この日も試合前に「思い切って行きなさい」と助言を受け、勇気づけられたという。

 谷本さんは田代について、「実の妹よりも、姉妹に間違われるんですよ」とかわいがる。2年連続出場となる世界選手権(8月、カザフスタン)で世界の頂点に挑む。