ラグビー日本代表にスピードスターが加わった。日本ラグビー協会は11日、WTB松井千士(ちひと、20=同大)を日本代表合宿に追加招集すると発表した。宮崎市内で行われている合宿参加の代表候補33人の中では最年少。50メートル走5秒7(手動計測)の7人制日本代表の主力が、9月開幕のW杯イングランド大会での代表入りを目指す。

 代表初招集となった松井は、4、5日の7人制の国際大会「東京セブンズ」(秩父宮)のサモア戦で2トライ。海外選手に走り勝つスピードが買われた形だ。この日は大阪市内で同大が出場した7人制の大会を観戦。6日に同大の山神監督から招集されると伝えられていたと明かし「7人制の方かと思ったら『そっちじゃない、ジャパン(15人制)のほうや』と言われて。まさか入れるとは」と、驚きの表情を見せた。

 日本代表はWTB福岡が右足のケガで状態が万全とは言えず、ジョーンズ・ヘッドコーチは「WTBをもう1人呼ぶかもしれない」と話していた。突然の招集に「実力は足りない。経験のために入れてもらったと思う。先輩方に必死で食らいつきたい」と謙虚な20歳は今日12日に合流し、新たな挑戦を始める。【岡崎悠利】

 ◆松井千士(まつい・ちひと)1994年(平6)11月11日生まれ。大阪市出身。小1でラグビーを始める。大阪・常翔学園高では3年時に花園で優勝。同大2年時に7人制日本代表に初選出される。3歳上の兄謙斗はトップリーグ豊田自動織機でプレー。名前の由来は11月11日の誕生日で、漢数字の十に1画加えた千と士が使われたという。183センチ、80キロ。家族は両親と兄。