試合前日に現役続行を表明した村上佳菜子(20=中京大)は、62・39点の5位だった。序盤の3回転フリップで回転不足をとられたものの、他はミスなくまとめた。演技後は安堵(あんど)の笑顔で、胸元を2回たたいた。「スピードが出ているのは感じられた」と頬をゆるめた。

 3月の世界選手権で7位に終わり「気持ちがすっきりしてしまった」と言う。引退も考えたが「心の一番奥にあったのは滑りたい気持ちだった」。体幹トレーニングを増やすなど、新しい練習に挑戦しながら続けることを決めた。

 詰めかけたファンの大声援に背中を押され、「不調の中でこの演技ができたのはよかった。フリーの方が調子は悪いけど、うまくまとめたい」。フリーで失敗した世界選手権と同じ轍(てつ)は踏まぬようにする。きっちりリベンジを果たすつもりだ。