レスリング男女の日本代表選手が20日、新潟・十日町市の桜花レスリング道場で合宿入りした。

 五輪3連覇の吉田沙保里(32=ALSOK)ら多くの女王を育てた「虎の穴」だが、男子の代表が使うのは初めて。昨年世界選手権男子フリー74キロ級銀メダルの高谷惣亮(26=ALSOK)は「何もないところだから、レスリングに集中できる」と世界王座目指して話した。

 合同合宿が決まったのは2週間前。「女子が強くなった環境を、男子にも知ってもらいたい」と、栄和人強化本部長(54)は急な決定理由を説明した。通常は5月の大型連休明けから使う施設だが、あえて雪の残る4月に強行。靴を脱いでの雪上トレで、集まった報道陣に「日本レスリングの本気」をアピールした。

 女王吉田は足の裏を痛がって「もう嫌だあ」と言いながらも「慣れないことをやるのは、刺激になっていい。ここは私を強くしてくれる場所ですから」と道場に感謝。報道陣の求めに応じて雪の上で逆立ち歩きや腕立て伏せまで披露した高谷は「雪の上でタックルしたのは初めて。大地の力をもらえたような気がする」と、笑顔で話していた。