世界5位の錦織圭(25=日清食品)が赤土で2連覇を達成した。世界66位のアンドゥハール(スペイン)を相手に6-4、6-4の2-0で熱戦を制した。過去第1シードで出場したツアー4大会すべてで決勝進出を決めていた勝負強さを発揮し、決勝では落ち着いたプレーでアンドゥハールを寄せ付けなかった。5月の全仏を前に、4大大会初制覇へ弾みのつく今季2勝目となる優勝になった。

 アンドゥハールとの対戦は4回目。過去3戦で2勝1敗と対戦成績でリードする錦織は、冷静な表情でアップに臨んだ。

 第1セット第1ゲーム、錦織のサーブで始まると、いきなりブレークポイントを奪われ、あっけなくサービスゲームを失った。第1サーブでリズムを崩し、いやな流れで始まったが、続くアンドゥハールのサービスゲームで立て直す。0-40とブレークバックのチャンスからすぐさま1ゲームを奪い返して追いついた。

 第3ゲームはジュースと粘られたが、ファーストサーブに苦しみながらもキープして、ようやく落ち着きを取り戻した。地元スペインのアンドゥハールを相手に、観客はアンドゥハールに不利な判定には露骨にブーイング。完全アウェーの空気の中、錦織は淡々とプレーしてポイントを重ね、第5ゲームを終えて3-2とリードした。

 第1セットは、先にアンドゥハールが仕掛け、どうしても錦織は左右に振られて動かされる。右足首に黒のサポーターをする錦織は何度もタオルで汗を拭き懸命にボールにくらいついた。晴れているのに、雨がコートに降りかかる不思議な天候の中、ゲームカウント3-3と両者譲らない展開になった。

 第7ゲームに入ると、それまで苦しんできたファーストサーブの成功率が60%台にまで回復した。昨年、錦織はこの大会ではスペイン人以外としては12年ぶりに制し、アジア勢初のタイトルを奪った。連覇がかかる中、4-4と粘るアンドゥハールの前に苦戦を強いられた。

 第10ゲームをブレークし、6-4でこのセットを奪う。ウイナー13本をマークする一方、セカンドサーブ成功率43%と苦しみながらも、何とか第1セットを取って主導権を握った。

 第2セットに入ると錦織は防戦一方。第1ゲームをブレークされると、第2ゲームも簡単にキープされ0-2とリードを奪われた。第7、第8ゲームを連取して4-4。さらに伝家の宝刀ドロップショットで第9ゲームを奪い、このセットはじめて5-4とリード。最後はアンドゥハールのゲームをブレークし、セットカウント2-0で連覇を達成した。