吉村真晴(21=愛知工大)石川佳純(22=全農)組が、前回13年パリ大会の王者キム・ヒョクボン、キム・ジョン組(北朝鮮)を4-2で破り、同種目で日本勢38年ぶりの決勝進出を決めた。今日1日の決勝で、日本勢同種目46年ぶりの金メダルに挑む。

 石川、吉村組が初の金メダルに王手をかけた。北朝鮮ペア相手に、石川の強烈なフォアハンドや、吉村の変幻自在のサーブでリズムをつくった。第1ゲームは終始リードして奪ったが、第2ゲームでは5-5から6連続失点。シーソーゲームが続いたが、コンビネーションのよさを発揮。最後は吉村のバックハンドが決まると抱き合って喜んだ。石川は「出だしから声が出て波に乗れた。うれしいです」と興奮した。

 昨年、石川は男子のエース水谷と1度だけ練習で打ち合ったことがある。その際、球質の軽さを指摘されたことが、今でも頭に残っている。12年ロンドン五輪後から、パワーやスピード強化のために男子との練習を導入したが、回転数などの「重さ」は他の日本女子にも劣ることを強調された。その水谷の一言で、さらなる意識改革を図った。

 男子相手に決めきれるのか-。男子と試合で打ち合えるのは混合ダブルスのみ。五輪種目ではないが、成長の指標となる混合にも重きを置いた。1月の全日本選手権を制し、大会直前も、吉村と毎日1時間半調整した。この結果は石川の成長の証しでもある。

 今日1日の決勝で、今大会から再び解禁された国際ペアを組む、世界ランク2位の許■(中国)、同21位の梁夏銀(韓国)組に勝てば、69年ミュンヘン大会の長谷川信彦、今野安子組以来の頂点に立つ。吉村が「金メダルは半端ない」と話せば、石川も「世界チャンピオンはやっぱり違う」と意気込んだ。【高田文太】

※■=日ヘンに斤