吉村真晴(21=愛知工大)石川佳純(22=全農)組が、世界ランク2位の許■(中国)同21位の梁夏銀(韓国)組に0-4で完敗した。日本勢同種目46年ぶりの金メダルはあと1歩で逃したが、77年バーミンガム大会の田阪登紀夫、浦田幸子以来、38年ぶりの銀メダル獲得となった。

 表彰台に上がった石川と吉村には、喜びと悔しさが入り交じっていた。石川は「悔しい」と第一声。だが「来る前はメダル獲得が目標だったのでうれしい。すごく自信になった」と笑顔も見せた。吉村も「自分らしさが最後に出なかったのは悔しい。でも38年ぶりの銀というのはうれしいし、ホッとしています」。激戦を終えた2人は握手で健闘をたたえ合った。

 返球が少しでも甘くなると、厳しいコースに打ち返してきた。準決勝まで有効だった吉村のサーブも、試合の後半は通じなくなった。0-3と崖っぷちの第4ゲーム。吉村のフォアがアウトになると、5連続失点で決着。吉村は「中国選手が1人いるだけで硬くなり、攻めた時に厳しくという気持ちがミスにつながった」と反省した。

 12年2月、石川は同世代のテニス錦織圭(25)と関係者を通じて会い、約束を交わした。「お互い、世界の頂点を目指そう」。12年ロンドン五輪団体で石川が銀メダルをとれば、錦織も昨年9月の全米オープンで準優勝。切磋琢磨(せっさたくま)しながら、現在はともに世界ランク5位。世界の強豪に成長した。

 石川は昨年12月のワールドツアー・グランドファイナル(タイ)優勝など、シングルスでも実力を発揮できる土台を築いている。「リオに向けて、中国選手に対戦するのが嫌だと思われるように、もっともっと成長したい」。またしても銀だったが、悲願の金は、錦織も出場予定の16年リオデジャネイロ五輪まで持ち越しだ。【高田文太】

※■は日ヘンに斤