日本代表のエース、池崎大輔(38)がチーム最多の27得点をマークし、ニュージーランドを56-43で下した。

 「ガッシャン」。車いすの接触音が何度も響き、車いすの車輪が宙に浮いた。激しいタックルが繰り返される中、池崎が圧巻の車いす操作を披露した。トップスピードからの急ストップ、スペースを見つけては、相手を転倒させるほどの激しい当たりで猛突進するなど、世界レベルのテクニックを見せつけた。「日本代表としては7カ月ぶりの試合だったので、初戦を勝てたことは大きいです。この勢いを維持して、これからの試合に臨みたいです」と、気を引き締めた。

 今大会に出場したのは、世界ランキング5位の英国、6位デンマーク、8位ニュージーランドで、日本は4位に位置する。大会関係者は「日本は力をつけているが、オーストラリア、カナダ、米国の『トップ3』に入るためにも、今大会は優勝しないといけない」と話した。池崎も「トップ3に入るためには、力の差よりも『経験の差』が大きいと思うので、今大会のような国際試合の実践経験を積むことが重要だと思う。リオ(大会)で金メダルを取るためにもそこを強化するべき」と力説した。

 北海道函館市生まれ。幼少期に手足の筋肉が次第に衰えるシャルコー・マリー・トゥース病を発病。高校在学中の95年に車いすバスケットボールを始めたが、腕の力が弱くなったため08年にボールの軽い車いすラグビーに転向した。バスケットで身に付けた車いす操作の技術で、10年のカナダ杯ではベストプレーヤーに選出された。米国で1シーズン修業し、車いすテクニックだけでなく、米国流の激しいプレースタイルも身に付けた。

 この日、会場には、市内の小学生約700人が応援に駆けつけた。23日には準決勝が行われる。