日本がニュージーランドを51-41で下し、決勝進出を決めた。

 24-23の1点差で折り返した第3ピリオド。「ムードメーカー」で、代表唯一の沖縄県出身の仲里進(39)が投入されると、チームの流れが一変した。「しんちゃーん」。仲里がコートに入ると、客席から大声援が飛んだ。ノリノリの仲里は「スペースを広く使え!!」と大声で指示を飛ばした。徐々に日本のミスも減り、ロングボールからの得点など攻撃にリズムが出てきた。仲里は「嫌なリズムで試合が進んでいたけど、途中からはいつものプレーが戻って良かった。『しんちゃんコール』は気持ちも上がるし、素直にうれしかったです」と照れた。

 仲里は関節の筋肉が収縮し伸びなくなる先天性の障害「多発性関節拘縮症」を

患っている。幼少期はサッカーに親しんだ。23歳の時に車いすバスケットを始め、02年に24歳でウィルチェアーラグビーチーム「沖縄ハリケーンズ」に入団。才能は開花し、翌03年に日本代表に選出された。08年の北京パラリンピック後には3年間、米国で修業した。

 英国との決勝は24日に行われる。仲里は「トップ3(オーストラリア、カナダ、米国)に入るためにも優勝しかない。これまで学んだ全てのことを出したい」。キャプテンの池透暢(35)は「予選リーグで相手(英国)のエースは出ていなかったので、決勝が本番です」と気を引き締めた。