「水泳ニッポン」復活の立役者でもある日本水泳連盟の上野広治競泳委員長(56)が26日、来月の役員改選で交代案が浮上していることに戸惑いをみせた。この日、都内で行われた日本オリンピック委員会(JOC)の強化本部会に出席。世界選手権(ロシア)が2カ月後、リオデジャネイロ五輪が1年後に迫るだけに「辞めさせる理由を納得できるように説明してほしい」と訴えた。

 00年シドニー五輪から計28個のメダル獲得に貢献してきた。突然の強化トップの交代案に、現場には動揺が広がる。日本代表の平井伯昌ヘッドコーチ(51)は上野氏交代なら辞任を示唆。一部選手も不安を口にする。上野氏は「肝心なことは、五輪での選手の活躍をサポートすること。こんなゴタゴタに巻き込まれては」と、選手、スタッフの心情を思いやった。

 来月28日の評議員会、理事会での新体制発足に向けて、27日には役員候補者選定委員会が開かれる。連盟内には上野氏の競泳委員長を交代させ、競泳、飛び込み、シンクロなど全5競技を統括する強化本部長に専任させる案がある。