五輪を目指す「国防女子」が、チームの公式戦初勝利に貢献した。招待チームとした参加した今年作られた新チーム「UNITED SeALs(ユナイテッド・シールズ)」が、順位決定戦で世田谷レディースを39-7で破った。大会は東京フェニックスが優勝した。

 同チームは全国各地の自衛官を駐屯地から集めて作られたチーム。平山愛主将(23=練馬自衛隊)が、豊富な運動量で仲間を鼓舞するプレーを見せた。視察した日本代表の浅見敬子ヘッドコーチも「上背はないが、運動量は魅力的」と評価した。

 平山主将が冗談っぽく笑った。「ナイチンゲールを目指していたんですが、今は大砲を撃っているんですよ」。グラウンドを離れれば、ひとたび砲撃のプロになる。重さ600キロの重迫撃砲を操り、数キロ先の標的を狙うのだという。昨年から自衛隊で始めるまでラグビーのルールも知らなかった。高校まではバスケットボール選手。卒業後トレーナーを目指し、2年間は専門学校に通った。さらに「働きながら勉強したい」と看護役の衛生科を志望して自衛隊に入るも、配属は第1普通科連隊。戦闘員だったと苦笑いする。

 やるからには全力を注ぐ。目標は日本代表だ。今年は計8カ月に上る合宿を行い、1日3部練習をしている。これは9月にW杯イングランド大会を戦う15人制男子の日本代表と同じ。ラグビーをするのにも命令が下っており、練習は「集合訓練」というのが自衛隊らしさ。腕立て伏せを休まず60回、腹筋は100回近くこなす平山主将は「代表に入りたいという気持ちが日に日に大きくなる。もっと強くなって(代表に)入りたい」と意気込む。七五三以来変わらないというベリーショートの髪は、まだまだ伸びることはなさそうだ。