【ウィンブルドン26日=吉松忠弘】男子テニスで世界5位の錦織圭(25=日清食品)が、テニスの聖地で一流の証明だ! 29日に開幕する4大大会ウィンブルドン選手権で、錦織は初めて会場そばの一軒家を借り、準備万全で聖地に挑む。フェデラー、ナダルら、世界のトップ選手はウィンブルドンでは一軒家を借りて過ごすのが恒例だ。

 会場があるウィンブルドンは、東京でいえば田園調布という高級住宅地だ。会場から徒歩数分のところに、錦織が初めて家を借りた。両親も23日にロンドン入りし、母恵理さんの手料理で、痛めた左ふくらはぎも徐々に回復中。スタッフも同所に泊まり、万全の態勢で大会を迎える。

 会場周辺に住む人たちは、大会の時期に避暑で家を空ける。また、大会期間中は、世界中から2週間で約50万人の観客が訪れる。その騒ぎに巻き込まれるのを嫌がり、早々と自宅を空ける人も多い。その家を選手や関係者が借りるのだ。

 また、ウィンブルドンといえば雨が代名詞だ。試合は中断に次ぐ中断で、コートに入ったり出たりを繰り返す。選手はいつ再開になるか分からない時間を会場で過ごすが、緊張とストレスでイライラも募る。しかし、家を会場そばに借りれば、自宅で待機することも可能だ。そのため、トップ選手は家を借りることが多い。

 関係者によると、標準の2階建て3ベッドルーム、2リビングルームなどで、月3000ポンド(約58万円)ほどだという。通常の家庭にあるキッチン、洗濯機、風呂などは使い放題で、家によっては、置いてある食材も使用可能だ。

 少しぐらい会場から遠くても、本戦入りした選手は、ロンドン市内ならどこに泊まっていようが、電話1本で公式車が送迎してくれる。まさにウィンブルドンならではの破格の扱いで、錦織が上位進出を目指す。