世界ランク9位の伊藤美誠(14=スターツ)が粘り強く好発進した。女子シングルス1回戦で同28位の劉斐(21=中国)を4-2で下した。3月ドイツ・オープンで史上最年少優勝を飾りギネス登録され、来年リオデジャネイロ五輪出場に向けて勢いに乗る。今日27日の2回戦では、1回戦で平野美宇(15)を退けた世界ランク1位丁寧(25=中国)に初挑戦する。

 熱戦を制した14歳の顔に、笑みが広がった。世界ランクでは格下の28位ながら、強豪中国勢の一角を撃破。伊藤は「どうやって勝ったんだろうという感じ」と照れつつ「すごく良かった」と、うなずいた。

 第1ゲームを落とした後、2ゲーム連取して迎えた第4ゲーム。急な頭痛に見舞われた。「いつも競ったりすると貧血になる」。それでも、くじけない。強烈なスマッシュでポイントを奪取。最後の第6ゲームも14-12で粘り強くものにして、1回戦を突破した。

 3月ドイツ・オープンで14歳152日の史上最年少優勝を飾り、この日の試合前にはギネス世界記録を授与された。勢いに乗る少女の大目標は、来年リオ五輪出場だ。日本代表候補は9月の世界ランク上位2人が自動的に決定し、団体戦要員の3番手も同ランクが優先される見込み。現在伊藤は9位。5位石川、8位福原に迫っており「日本の2位を目指したい」と力強く上を見据える。

 今日27日の2回戦では、世界1位丁寧に初挑戦する。同学年の平野美が完敗した相手に「気持ちで負けないようにしたい」。ホームの声援も力に、最強女王に挑む。【木村有三】