2022年冬季五輪の開催都市決定が31日に迫り、国際オリンピック委員会(IOC)の総会が開かれるクアラルンプールに「招致の顔」が集結した。アルマトイ(カザフスタン)との一騎打ちに向けて、北京は米プロバスケットボール、NBAの元スター選手の姚明氏が現地入りしてアピールするなど、決戦の地は熱を帯びてきた。

 29日に北京の招致委員会が開いた記者会見。招致大使を務める姚明氏は流ちょうな英語で「22年五輪は新次元のスポーツ精神を人々に与えることになる」と語り、史上初となる夏冬の五輪開催の意義を強調した。身長が220センチを超える中国スポーツ界の英雄は、圧倒的な存在感で広告塔の役目を果たしている。

 アルマトイは地元出身でフィギュアスケート男子の14年ソチ五輪銅メダリスト、デニス・テンが「五輪が来れば、より多くのスポーツに親しむ機会を与えてくれる。国はまだ若いが、将来の発展につながればいい」と国民の思いを代弁する。米国に練習拠点を置いているだけあって、こちらも英語はお手の物。6月の招致プレゼンテーションに続き、IOC委員の投票前に行われる最終プレゼンテーションでも壇上に立つ予定だ。

 劣勢とみられているアルマトイはバレーボール女子の人気選手、サビナ・アルティンベコワも加わり、最後の訴えに花を添えている。