2016年に開幕するバスケットボール男子の新リーグは30日、東京都内で1部でスタートする12チームを発表し、レバンガ北海道は第1段階で参入を逃した。参入条件の債務超過解消と5000人収容のホームアリーナ8割開催をクリアできなかったことが主な要因。1部は最大16チームで構成される方針で、8月末の追加発表で落選した場合、折茂武彦選手兼代表(45)は、代表辞任と現役引退を示唆した。

 川淵三郎チェアマン(78)が、発表した1部参入12チームにレバンガ北海道の名はなかった。記念すべき日をみんなで祝おうと行われたパブリックビューイング会場のサッポロファクトリーに集まった300人のファンから悲鳴が漏れた。ステージの折茂選手兼代表と桜井良太(32)は首をひねり、橋詰公人CEO(54)はぶぜんとした表情で腕組みした。折茂は「これで終わりじゃない。これからの1カ月で川淵さんがおっしゃる課題をクリアすべく動く」と声を振り絞った。

 「1・5部みたいな」。チームの現在地を、東京都内で行われた記者会見で川淵チェアマンは苦笑いしながら表現した。今回落選した主な理由は、11年にチーム発足後、積み上がった約1億5000万円の債務超過。川淵チェアマンからは「全国的な広がりを持ったリーグでありたい。北海道は有利な立場だが、それでも入らなかったのは財政面で問題がある」と指摘された。

 主力スポンサーとの調整で1億円分の債務解消策はまとまったが、残る5000万円については6月に持ち株会を発足させ、ファンや企業などから資金を公募していた。6月末までの第1期募集では約1000万円。8月末を期限とする第2期も現状は約300万円止まりで約3700万円が不足する。

 さらにホームゲームの8割を開催する5000人規模のアリーナ確保の条件でも後手に回った。当初申請していたケーズデンキ月寒ドームの指定管理者決定が来年まで長引くため、北海きたえーる使用に切り替えたが、現段階で確保できる試合日程は6割ほどという。この2点が新リーグ側から問題視され、今回の1部入りは見送られた。

 8月29日の最終発表で1部入りするチームは、未確定の15チーム中4チーム、最多で6チームとみられる。折茂は「この1カ月に(代表としての)進退をかける」と悲壮感を漂わせた。さらに「2部でのプレーを、自分のプライドが許せるか…」と現役引退をも示唆。まさに背水の陣で1部を目指す。【中島洋尚】

<バスケットボール新リーグとレバンガ北海道の経過>

 14年11月 国際連盟が日本協会に無期限の国際試合出場停止処分を通告。

 15年1月 Jリーグ初代チェアマン川淵氏を中心に改革を主導する「タスクフォース」を発足。

 3月 NBL、TKbj両リーグを統一する新リーグ説明会にレバンガ北海道が参加。

 4月 レバンガ北海道が新リーグ入会申込書提出。

 6月 橋詰CEOと折茂代表が川淵氏らと面談。日本代表の国際試合出場停止処分を一部解除。