国際オリンピック委員会(IOC)は31日、クアラルンプールで総会を開き、2022年冬季五輪の開催都市に北京を選んだ。100人のIOC委員のうち欠席者らを除く85人による投票でアルマトイ(カザフスタン)を破った。08年に夏季五輪を開いた北京は史上初めて夏冬両方の五輪を開く都市となり、中国では初の冬季五輪となる。

 アジアでは1972年の札幌、98年の長野、18年の平昌(ピョンチャン)(韓国)に続いて4度目。20年夏季の東京五輪と合わせて東アジアで3大会連続となり、26年冬季五輪の札幌招致への影響が注目される。

 北京は雪不足や大気汚染などが懸念されたが、同日の最終プレゼンテーションで中国の習近平国家主席がビデオメッセージで支援を約束するなど、盤石な財政面と充実した都市基盤が高く評価された。

 招致レースは6都市が立候補したが、開催費用への不安が高まり、有力視されたオスロなど4都市が次々と撤退する異例の展開となった。アルマトイは11年冬季アジア大会で使用した既存施設を活用したコンパクトな計画と、自然の雪が豊富にある伝統的な冬季スポーツの拠点であることを訴えたが、及ばなかった。

 総会では、投票前にアルマトイ、北京の順でプレゼンテーションを実施。バッハ会長は投票しなかった。