渡部香生子(18=JSS立石)が2分8秒45の日本新記録で、見事に銀メダルを獲得した。日本勢の銀メダルは今大会初となった。
驚異の追い上げだった。100メートルを泳ぎ終えて8位。ここから得意の平泳ぎで逆襲だ。一気に4位に浮上した。最後は自由形で気力を振り絞った。先頭のホッスーに食い下がった。2位でフィニッシュした。電光掲示板で2位を確認した渡部は、右手でガッツポーズ。拳を何度も振った。白い歯がこぼれた。
「こんなタイムが出ると思っていなかったし、本当にうれしい。2番を取れると思っていなかった」。同種目での日本勢のメダルは五輪を含めて史上初。渡部はうれし涙で声を震わせた。
今大会、シンクロナイズドスイミングで4個の銅メダルを獲得した日本だが、渡部が競泳陣では「メダル1号」となった。
表彰式を終え胸に世界水泳初メダルを首にかけ喜びもひとしおだ。「タイムといい順位といい信じられない部分がある。うれしい。初めて世界水泳で取れたメダル。日本に少しでもいい流れを作りたかった。(竹村コーチにも)感謝している」。泳いだ後、泣きじゃくった姿はなく、終始“カナコ・スマイル”だった。
前回13年バルセロナ大会では準決勝で敗退したが、2年の月日を経て世界に「ワタナベ」の名前と成長を刻み込んだ。
金メダルはカティンカ・ホッスー(ハンガリー)で2分6秒12(世界新記録)。