世界4位の錦織圭(25=日清食品)が完敗した。同3位のアンディ・マリー(28=英国)に3-6、0-6の65分で敗れ、昨年5月のマドリードオープン以来自身2度目のマスターズ大会決勝進出を逃した。連戦の疲労から下半身に痛みを訴え、17日開幕のウエスタン&サザンオープン(米シンシナティ)を欠場することを決めた。昨年準優勝で31日開幕の全米(ニューヨーク)が次戦となる。

 最後は力が残っていなかった。疲労の蓄積と下半身の痛みから、球を追いかけることもできず。第1セット3-4から8ゲームを連続で失い、マリーの壁に阻まれた。「体が100%の状態でプレーができなかった」。

 トレーナーの治療を受けなかった。そのため、故障ではなく、気持ちが切れたと感じた観客からブーイングも出た。「第1セット途中から(下半身に)痛みが出たのが残念」。第1セット、3-4から40-0とリードしながらサービスゲームを落とし、緊張感で保っていた体が力尽きた。

 準々決勝のナダル戦後、「体力的にも精神的にも持ちこたえないといけない」と話した。ナダル戦で圧倒的なレベルの違いを見せつけ、ストロークでねじ伏せた。高いレベルの緊張感を持続し、フルスイングで強打し続けた反動がきたのかもしれない。

 所属事務所の担当者によると、試合後、会場で超音波検査を受けたが異常はなく、ケガはしていないという。疲労からくる痛みのようで、次週は欠場することを決めた。大会前には、今大会と続くシンシナティのマスターズ大会2連戦に対し「ケガをしないことが最大の目標」と話していた。最大の目標が全米のため、大事を取ったとみられる。

 拠点であるフロリダにいったん戻り、約2週間、休養を取って、トレーニングを積む。「数日休めば大丈夫」。優勝した4月のバルセロナ、先週のワシントンと、休み明けの錦織は強い。今季4大大会最後の舞台に、万全の状態で挑む。