野村忠宏(40=ミキハウス)の現役最後の相手になったのは、シード選手で昨年3位の椿龍憧(23=ALSOK新潟)だった。スタートから闘志満々で“レジェンド”に立ち向かうと、奥襟をつかんで迎えた開始26秒、鮮やかな腰車で一本勝ちした。

 「信じられない気持ち。頭が真っ白で覚えてないんです」と照れ笑い。野村の最後の相手となったことには「恐縮ですし、自分でいいのかなと思う。試合やれたことは幸せ。一生の宝物になります」と感激していた。椿は、3回戦の野村撃破で勢いづき、続く準々決勝も勝ち、準決勝も初突破したが、決勝で敗れて最終成績は2位だった。