柔道五輪3連覇の野村忠宏(40=ミキハウス)が8月31日、大阪市内で引退会見を行った。

 五輪では野村が属する男子60キロ級と、女子48キロ級の開催日が重なり、どうしても女子48キロ級代表の谷亮子に注目が集まってしまったが、谷の存在について野村は「ヤワラちゃんと、仲いいっすよ」と笑顔で打ち明けた。

 「ヤワラちゃんは特別な存在。国民的スターだったし。アトランタの時は、自分はまだ国中の国民の期待、プレッシャーに耐えられる強さはなかった。プレッシャーを一身に背負って戦った彼女はすごいと思った。彼女と同じ日に試合できて良かったなと思う」と話した。

 3歳から取り組んできた柔道については「自分の人生と言えます」と言い切った。最軽量級の60キロで戦い続けた苦労については「アテネのころで62、63キロ、今は65・5キロくらい。太ったというより、増えたのは筋肉量。体脂肪率は7%くらいで変わってない。そこから、40歳で5キロ絞るのはきつい」と苦笑い。それでも、最軽量級にこだわり続けた理由には「現役中はこれ1本と、決めてました。どうせ小さいクラスなら、一番小さいクラスがいいでしょ」と笑った。