世界ランク15位の日本は同8位の地元中国との全勝対決を57-56で制し、開幕4連勝で1次リーグ1位通過を決めた。1点を追った終了3秒前に、吉田亜沙美主将(27=JX)が殊勲の決勝点を奪った。昨年2月に左足前十字靱帯(じんたい)断裂。手術、リハビリを経て、挑んだ3度目の五輪予選。苦労人の主将がチームを引っ張り、リオデジャネイロ五輪出場に向けて大きな白星を挙げた。

 執念だった。55-56と中国に1点リードを許した残り3秒。吉田主将がゴール下に切れ込みながらシュートを決めた。57-56。「みんなすごく気合が入っていた。チームがつくってくれたチャンスで、決め切れて良かった」。地元中国との全勝対決で貴重な勝利を呼び込んだ。開始からリードを奪う展開が続いた。第3Qを終えて45-43。だが第4Qの序盤に逆転を許すと、流れは中国に傾く。04年アテネ大会から遠ざかる五輪。過去2大会の予選では勝負どころの弱さが致命傷になってきた。嫌な雰囲気が漂った。

 吉田主将も08年北京、12年ロンドン五輪予選で切符を逃してきた。昨年2月には左足前十字靱帯(じんたい)断裂した。一時は引退を決意しながら、手術、リハビリを乗り越え、たどりついた3度目の五輪予選。「今回の予選が最後かもしれない。すべてを懸ける」と最後まであきらめることはなかった。

 チームでは2番目に低い身長165センチも、チームトップの10リバウンド、7アシストとチームに貢献した。4日の決勝で再び中国と、五輪切符をかけて戦う可能性が高い。「勝利できたのは大きな成果」と内海監督。主将の奮闘もあり、04年アテネ以来、3大会ぶりの五輪出場が現実味を帯びてきた。