2020年東京五輪・パラリンピックの開催決定から8日で2年。大会準備は新国立競技場の整備計画と公式エンブレムの相次ぐ白紙撤回で大きくつまずき、計画も招致段階から一変した。

 失った国際的信用の回復に向け、政府や大会組織委員会は早くも正念場を迎えた。

 新国立競技場の旧計画は総工費が当初の想定からほぼ倍増の2651億円に膨れ上がり、世論の反発が高まった。新たな計画では総工費の上限を1550億円に抑えたが、完成時期は大幅に遅れて20年にずれ込む。追い打ちをかけるように、盗作疑惑が絶えなかった公式エンブレムは発表からわずか1カ月余りで撤回された。イメージが悪化する中、遠藤利明五輪相は「皆さんの知恵や技術を結集すれば必ず喜んでもらえる大会にできる」と立て直しを目指す。

 会場計画の見直しは自転車とサッカーを除く26競技で決着し、既存施設の活用でコスト削減を実現。しかし、選手村から半径8キロ圏内に会場の85%を配置し、移動による負担が少ない「選手第一」だった計画は、千葉と神奈川、埼玉の各県に分散し、半径8キロ圏内の会場は66%に減少した。

 開催まで5年を切ったが、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「いろいろな問題が出てきたが、クリアしていい方向に持っていけると確信している」と語った。