日本のエース石川祐希(19=中大)が鮮烈なW杯デビューを果たした。世界ランク20位の日本は同15位のエジプトに3-2で勝ち、白星発進した。W杯初出場でチーム最年少の石川は、強烈なスパイクをたたき込み、両チーム最多の24得点を挙げた。日本は今日9日、同5位の米国と対戦。大会は12チームが総当たりで争い、上位2チームにリオデジャネイロ五輪出場権が与えられる。

 石川の大会初得点は第1セットの4-1からだった。後衛から鮮やかに決めると笑みがはじけた。最終セットでは6-2から相手のエース・サラフのスパイクを止め、流れを変えた。石川は「温かい声援をもらってモチベーションが上がった。気持ちよくプレーできた」と満足そうに話した。

 191センチと大型ではないが、持ち味の滞空時間の長さで相手のブロックを見切る。「ブロックが見えていた」と、コースにスパイクを打ち抜き、スタメンの平均身長で約7センチ上回るエジプトに対して決定率は65・5%。エジプトのシェハタ監督は「サプライズの存在だった」と舌を巻いた。

 中大に入学した昨年8月から単身イタリアで修業を積んだ。セリエAの強豪モデナで公式戦に出場し、もまれた経験を初のW杯の舞台でいかんなく発揮。南部監督は「石川が攻守ともに活躍してくれたのが勝因。勢いを作ってくれる」とべた褒めした。

 日本は世界ランキングで参加12チーム中11番目の20位で、今大会での五輪切符の獲得は難しい。だが、石川は「すべて勝つつもりで頑張る」と意気込んだ。08年北京大会以来の五輪出場へ、期待を一身に背負う若武者の挑戦が始まった。

 ◆石川祐希(いしかわ・ゆうき)1995年(平7)12月11日、愛知県岡崎市生まれ。ポジションはウイングスパイカー。小4でバレーボールを始める。愛知・星城高では2年、3年と連続で高校3冠。14年4月に中大進学と同時に日本代表候補入り。同年8月からイタリア・セリエAのモデナと契約。9月のアジア大会で日本代表デビューした。191センチ、74キロ。