錦織人気で日本に第2のツアー大会開催の要望が6日、浮上した。アジアを統括するATPツアー国際グループのリー副社長が、アジアテニスの拡大のために、錦織人気でわく日本の東京以外の都市でツアー大会の開催を熱望した。試合のなかった世界6位の錦織圭(25=日清食品)は約1時間、内山靖崇と練習。イベントにも参加し、約2500人のファンが殺到した。

 ATPツアーが日本に熱烈なラブコールを送った。錦織人気で、大会前の練習だけで1万人を超えるファンが訪れた日本のテニス熱に注目。リー副社長は「大阪、神戸で開く案もいいと思う」と具体的な都市名を挙げて、楽天ジャパンオープンに次ぐ第2のツアー大会開催を要望した。

 日本は78~95年まで、ジャパンオープンとセイコースーパーテニスというツアー2大会を開催していた。しかし、バブル経済がはじけたのと同時にセイコーが撤退。ジャパンオープンだけとなった。「もっと日本や韓国の大会が増えてほしい」(リー副社長)。来週のマスターズ上海大会では、錦織も参加するアジア祭りが行われる。

 この日の錦織の練習も、多くのファンがフェンス越しに見守った。錦織が動けば“民族大移動”とばかりに人が動く。続いて行われたイベントには何重もファンの人垣ができ、約2500人が参加。錦織も「すごいうれしい」と、連日の大盛況に喜びを隠せない。

 2回戦は強サーブの持ち主で、常に苦戦するクエリーが相手になる。過去対戦成績は3勝3敗。しかし、熱烈なファンとATPツアーの後押しを受け、ホームで打倒クエリーに挑む。【吉松忠弘】