ラグビーW杯イングランド大会に出場している日本代表が、ジグソーパズルで団結力を高めている。

 試合前に選手全員とスタッフがピースをはめ込み、浮かび上がるのはチームのスローガン「JAPAN WAY」(日本流)の文字。南アフリカから歴史的勝利を挙げるなど、快進撃を精神的な面から支えている。

 パズルは大会前、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)がチームの一体感を向上させる狙いで発案した特注品。国内合宿を重ねた宮崎県の関係者が制作に携わった。桜の絵柄を背景にした日の丸に、黒い文字が力強く描かれている。ピースの大きさは一つが約6センチ四方。縦に10個、横に14個ずつ並び、出来上がれば縦60センチ、横84センチのサイズになる。

 ピースは試合の数日前にフランカーのリーチ・マイケル主将(東芝)の手で配られる。パズルは宿舎のミーティングルームに置かれ、埋める時には大事な決まり事がある。プロップの三上正貴選手(東芝)は「試合でやるべきプレーを確認して、気持ちが整ったと思ったら置く」と説明。心の準備がまだならチームメートと話し合いの場を持ち、精神状態を高めるという。

 ピースをはめる期限は、試合前日の選手ミーティングまでと設定され、最後の1ピースをリーチ主将が選手の前で埋めて完成させる。三上選手は「験担ぎではなく、気持ちを整える手段。ピースを置くまでにサインプレーを頭に入れたりすると、自信を持って次の日の試合に臨める」と効果を実感している。