女子でショートプログラム(SP)2位につけた本郷理華(19=邦和スポーツランド)が会心の演技を見せ、フリーでは1位の129・97点で自己ベストも更新。惜しくも優勝した浅田真央に届かず、昨年のロシア杯に続くGP2勝目は逃したが、大きな自信を得た。男子は昨季の世界選手権覇者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)が優勝。ペアは川口悠子、アレクサンドル・スミルノフ組(ロシア)が制した。

 本郷が両手を高く突き上げた。天を仰いで歓喜を爆発させる。「いま自分ができることは出し切った。順位よりそこがうれしい」と振り返った。アイルランド音楽「リバーダンス」を題材に、タップダンスの動きを取り入れた精力的なプログラム。DVDなどを見て研究してきた成果は、会場から万雷の拍手をもらったステップに顕著だった。「いつもはステップの後のジャンプを考えて緊張するが、今日は楽しく滑れた」と演技にのめり込めた。

 シーズン前に掲げた目標は合計で190点を突破することだった。今大会はSP、フリーも含めすべてで自己ベストを塗り替え、シーズン2戦目で目標も達成した。所属先の先輩である鈴木明子さんから細かな振り付け指導を受けるかいもあり、急成長をみせる19歳。「まだまだやらないといけないことはたくさん。もっと上を目指せる」と貪欲だった。【阿部健吾】