札幌山の手が旭川実を下し、2年連続4度目の優勝を飾った。来春チャレンジリーグ1部の仙台ベルフィーユに入団するエース舛田紗淑(3年)が決勝でチーム最多の17得点。チームは大会1カ月前に受けた元旭川実監督の一柳昇氏(63)の指導を実践し、6月の総体道予選決勝で敗れた宿敵に雪辱した。決勝進出の2校が来年1月5日からの全国大会(東京体育館)に出場する。

 最後は札幌山の手のエース舛田が、力と気持ちを込めて決めた。「みんながつないでくれたボール。絶対に決めたかった」。レシーブに入った相手選手の間に、思いきりたたきつける。ベンチからも全員が一斉に飛び出し、コートの中央に折り重なった。

 6月の総体道予選決勝リーグは旭川実に0-2のストレートで敗れ、2位で全国大会に出場した。8強に進んだが、悔しい思いは消えなかった。「その悔しさがあったから、全国でベスト8まで行けた。でも、今大会は負けたくなかった」と塩出朋佳主将(3年)。部室のホワイトボードに「意識改革」と書き、この日を待ちわびた。

 大会1カ月前にはライバル旭川実の元監督・一柳氏から指導を受けた。強いスパイクでもネット際に返す大切さを学んだ。台の上から放たれる強烈なスパイクをレシーブし、セッターに戻すことに練習時間の4分の3を費やした。塩出主将は「セッターに正確に戻せるようになり、コンビを使えるようになった」とレベルアップを感じていた。

 U-20日本代表の橘井友香(18=JT)が今年3月に卒業。当時は「裏エース」だった舛田が「自分がやらなきゃいけない」と成長。全員がレシーブしたボールをエースが決め、昨年と同じ優勝を勝ち取った。渡辺徹監督(51)は「チーム全員でつかみとった優勝」と、笑顔のメンバーを見渡し、目を細めた。

 次の目標は総体以上だ。「もっと成長して、必ずベスト4以上」と舛田。さらなる意識改革で、新春の東京体育館に嵐を巻き起こす。【中島洋尚】