男子テニスで世界ランキング8位の錦織圭(日清食品)が年間成績上位8人によるATPツアー・ファイナルで昨年に続く準決勝進出を逃し、今季の全日程を終えた。

 ツアー3勝を挙げ、54勝16敗。躍進した昨年のツアー4勝、54勝14敗と遜色なく「2年連続トップ8で終われるのは非常に価値がある1年。安定して結果を出せたのは自分でも評価できる」と総括した。

 世界5位でスタートした今季は前半戦でポイントを稼ぎ、2月のメンフィス・オープン3連覇、4月のバルセロナ・オープン2連覇を達成。昨年の全米準優勝で期待が高まった4大大会は全豪、全仏で8強入りした。

 だがウィンブルドンは左脚故障で2回戦を棄権、全米は予想外の1回戦敗退と足踏み。後半戦は右肩や左脇腹にけがの不安も抱えて息切れ気味で「大事なポイントを簡単に取り逃すことが多かった」と不振に苦しんだ。

 全てが吹っ切れたのは惜敗した世界3位ロジャー・フェデラー(スイス)との今季最終戦だ。縦横無尽のフットワークと遊び心も忘れないショットで互角のラリーを展開し、試合中に笑みがこぼれるほど「久しぶりに楽しかった」という。

 来季の目標に4大大会制覇やリオデジャネイロ五輪を掲げ「大きなタイトルが自分に重要」と自覚する。今後の課題には「第1サーブの成功率やネットプレーの増加」を挙げ、けがに強い体の維持も重要項目とした。