右肘骨折で今夏の世界選手権を欠場した萩野公介(21=東洋大)が6冠に輝いた。来年リオデジャネイロ五輪で金メダルを狙う男子400メートル個人メドレーに出場。4分16秒06と自身の日本記録には8秒以上遅いものの、現時点での力を発揮。約5カ月ぶりの復帰戦は出場7種目中6種目で優勝と復活ぶりを示した。

 昨年大会より約6秒、自身の日本記録よりは8秒以上も遅いが、本人は「4日間を無事に乗り越えられたことで御の字」とホッとした表情をみせた。患部は回復しつつあるが、泳ぎ込みはほとんどできていない。そんな中で全力を尽くした結果に「久しぶりに泳げる幸せをかみしめた」としみじみと言った。

 今夏の世界選手権金メダルの瀬戸大也(21)と世界の頂点を争う。この日のレース中も、当初は出場予定だった瀬戸の泳ぎを自然と想定しながら泳いだ。「大也の存在が発奮材料。今ここにいるのは大也のおかげ」とライバルに感謝した。

 五輪金メダルの目標タイムは4分5秒台と、ケガ前からの高レベルの設定を変えるつもりはない。「世界記録は(フェルプスの)4分3秒84。それを狙ってこそ4分5秒台が出る」と話す。27日からはスペイン・グラナダでの高地合宿に向かう。「死に物狂いで頑張ろうとの気持ちを新たにした」。意義ある復帰戦となった。