ノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(43=土屋ホーム)のW杯出場数が26日までに480戦に訂正された。国際スキー連盟(FIS)が、今季開幕後に16歳当時の2戦が欠落していることに気づき、公式ウェブサイトの記録を訂正した。

 「2戦足りなくない?」-。10月26日に行われたシーズン開幕前会見で話題に上った葛西のW杯500戦の出場数を調べていた小林デスクからの電話だった。こちらも「えっ?」と返すしかない。FISのウェブサイトでは477戦…、でも、他の資料では479戦。それから、2人でありとあらゆる資料を引っ張りだし、何時間もかけて何度も計算した。途方に暮れそうにもなったが、答えは単純だった。記念すべき札幌でのデビュー2戦がすっぽり抜けていたのだ。

 葛西の数字は、更新すればほとんどが「世界最多」とつくだけに注意深くチェックはしてきたが、FISの公式サイトにミスがあるとは思わない。とんだ落とし穴だった。W杯遠征前に本人にその話を振ると「えっ? そうなの」とにんまりし、「ちゃんと調べておいて」とまんざらでもない様子だった。

 こちらも乗りかかった船。早速、札幌スキー連盟に問い合わせたところ2戦の公式記録が残っているという。しかも英文。「よし、これなら」と、その記録を入手。その後、各方面からFISに働きかけ、この日の訂正となった。レジェンドのすごさを身をもって知った大記録だった。【松末守司】