ラグビートップリーグのヤマハ発動機が今日28日、袋井・エコパスタジアムでNECと対戦する。前節の豊田自動織機戦で、4季ぶりに完封試合を実現してチームは2連勝。グループBで首位に立った。負傷明けのWTB伊東力(25)も、40メートル独走トライを決めるなど復調の兆しを見せている。2019年W杯会場の同スタジアムでのリーグ開催は初となり、注目の中でギアを上げる。

 4年目の伊東が、エコパスタジアムでギアを上げる。前節、豊田自動織機戦では前半24分、ステップを駆使して40メートル独走トライを決めた。10月3日のプレシーズンリーグのキヤノン戦で右ふくらはぎを負傷。開幕のトヨタ自動車戦に間に合うも後半32分で退くなど周囲を心配させたが、「完全復活」をうかがわせた。だが、清宮克幸監督(48)は「まだまだ。こんなもんじゃない」と言い切った。

 伊東はトライアウトを受けて、ヤマハ発動機に入社した「無名組」だ。50メートル走は6秒2。トップリーグのレベルでは、特別に速いWTBではないが、清宮監督が「ステップが他の選手とは違って個性的」と見極め、獲得を決めた。「普通の選手が1、2、3…とギアを上げるが、伊東は1から5にいける」。

 レギュラーには昨季から定着したが、初先発は2013年12月21日のNEC戦だった。前半8分でリーグ初トライを決め、さらに決勝アシストを決めた。昨季も北海道で55-7とNECに完勝。相性のいい相手だが、伊東は厳しい表情のまま言った。「相手には新戦力もあるし、気を付けていきたいです。自分は試合勘がまだ戻ってないですが、ヤマハスタイルのFWを絡めた外への展開が、前節ではうまくいきました。自分も少しずつ良いプレーが出来ているので、攻守で活躍していきたいです」。

 悲願のリーグ制覇に向け、3季ぶり2度目の開幕3連勝は必要条件。伊東のステップが、エコパでも輝くか。【大野祥一】